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【ルポ】第18回JUSEパッケージ活用事例シンポジウム

2008年12月2日(火)開催

シンポジウム開催の様子

特別講演では,立林 和夫氏(富士ゼロックス株式会社)から「タグチメソッド(実験方法,解析方法,統計との接点)」と題し,ロバスト設計と実験計画法がどのように違うかを中心にし,最近急激に普及しはじめたMTシステムについてわかりやすく解説して頂きました.

事例紹介では,7件の事例を発表していただきました.
扇千春氏(株式会社ジーシーデンタルプロダクツ)からは「QC教育を基幹とした改善・改革能力向上による人材の育成-全員参加の改善・改革活動による職場体質の強化」というテーマで,堀本ゆかり氏(常葉学園静岡リハビリテーション専門学校)からは「医療系専門学校におけるストレスマネジメント-臨床能力向上に向けて-」というテーマで,飯田一郎氏(株式会社コーセー)からは「官能評価の設計からMAまで~スキンケア製品の官能評価指標に関して~」というテーマで,武井俊文氏(野村ユニソン株式会社)からは「産業用ロボットの位置精度安定性の評価に関する研究」というテーマで,岡本佳之氏(コーセル株式会社)からは「電子機器のはんだ接合部耐温度サイクル性能の設計」というテーマで,澤田昌志氏(アイシン精機株式会社)からは「JUSE-StatWorksの全社展開によるSQC実践活用の推進」というテーマで,加瀬三千雄氏(QCコンサルタント)からは「最近の企業におけるSQC教育についての一考察(効果的なSQC教育の実施を目指して)」をご発表して頂きました.

事例発表後,これまで弊社パッケージを導入,活用,普及し,パッケージの機能アップやサービス等に対し,ユーザーとして大いに貢献して頂いた方々を表彰する「第5回JUSE-StatWorks活用エキスパート賞」授与式が実施されました.

【開催挨拶】

概要
(株)日本科学技術研修所を代表し,代表取締役社長がご挨拶をさせて頂きました.
コメント
「本シンポジウムは,ユーザーの方々及び本日ご参加して下さっている方々に対し,有益な情報交換の場として今後とも尽くして行きたい」と,シンポジウムに寄せる思いを表明致しました.

【特別講演】
タグチメソッド(実験方法,解析方法,統計との接点)


立林 和夫氏
(富士ゼロックス株式会社)

概要
タグチメソッドのパラメータ設計(ロバスト設計)は,実験計画法から発展した,ばらつきや劣化の小さな製品/ 工程を設計するための最適化技術です.
ロバスト設計の手法の一部として当然,実験計画法を使用しますが,フィッシャーの実験計画法が条件変化に対する特性値の平均値の変化を扱うのに対して,ばらつきの変化を扱うという大きな違いがあります.
ロバスト設計と実験計画法がどのように違うかを中心として,最近急激に普及しはじめたMTシステムについても触れ,詳しく解説されました.
発表資料(1.29MB)
コメント
実験の経験を踏まえた事例が大変豊富で,もう少し講演が聞きたいとの意見が多数ありました.

【事例紹介】
QC教育を基幹とした改善・改革能力向上による人材の育成
-全員参加の改善・改革能力向上による職場体質の強化


扇 千春氏
(株式会社ジーシーデンタルプロダクツ)

概要
現場力の強化と改善活動を活発化するために統計的手法に着目.階層を意識した教育の導入と,職場での活用を図る活動を主たる柱として,職場革新活動のレベルアップとモラールの向上に成果をあげた事例を説明した.
発表資料(194KB)
コメント
社内のQC活動が盛んであり「自社でもこの発表内容を参考にしたい」,「自社の不足箇所の発見につながった」との意見を多数頂きました.

【事例紹介】
医療系専門学校におけるストレスマネジメント
=臨床能力向上に向けて=


堀本 ゆかり氏
(常葉学園 静岡リハビリテーション専門学校)

概要
臨床実習で求められる臨床能力に,知識・技能・情報収集能力・総合的判断力・態度等がある.カリキュラムの途中でバーンアウトする学生も少なくない.
今回臨床実習事前指導に役立てる目的で,構造方程式モデリングを用い,性格的要因と成績との因果関係を説明した.
発表資料(258KB)
コメント
学生のストレスマネジメントを,昨年発売した「SEM因果分析編」を上手に活用した事例である.
参加者からは「教育・人材育成の解析に対し,新しい統計手法を用いた事例で大変参考になった.今後の進展を期待したい」,「人の性格を要因として分析することで,目標の認識や達成度の確認をしやすくなり,繰り返し行うことで目標を認識し易くすることがわかった」など活発な意見が会場が出ました.

【事例紹介】
官能評価の設計からMAまで
~スキンケア製品の官能評価指標に関して~


飯田 一郎氏
(株式会社コーセーメイク製品研究室)

概要
官能データ解析の基本的なフローについて事例を交えて以下の視点で解説された.
  1. 評価目的と想定される結論
  2. 評価設計・インストラクション
  3. 収集・観察・予備的解析
  4. データ構造解析・総合指標の導出
  5. 結果の反映とフォロー
発表資料(224KB)
コメント
会場からは「感性評価の解析の仕方として参考になった」,「数値化できないものを解析した実例をみて,実務に使えないか,考えるトリガーになった.内容も興味深かった」など,さまざまな意見を頂きました.

【事例紹介】
産業用ロボットの位置精度安定性の評価に関する研究


武井 俊文氏
(野村ユニソン株式会社)

概要
ロボットの位置決め精度が安定するためには,組立後のなじみ運転が必要とされる.
ロボットの繰り返し精度がなじみ運転のどの時点で安定しているかを計るにあたり,統計的手法を用いて安定性の評価方法を検討し,発表された.
コメント
「回帰管理図の考え方が新鮮であった」,「位置精度に対して温度が影響を与えている仮説の根拠がわかりにくかったが,管理図や工程能力指数を用いて,判断しているのはよかった」など会場からさまざまな意見が出されました.

【事例紹介】
電子機器のはんだ接合部耐温度サイクル性能の設計


岡本 佳之氏
(コーセル株式会社)

概要
当社では,事前設計にシミュレータを積極的に活用するようになってきており,はんだ接合部の熱疲労寿命の検討にもシミュレータを活用し始めた.ところが,シミュレータでは寸法・物性等各因子が中心値での計算であり,ばらつきを考慮していない.従って,計算結果が判定基準に対し問題が無くても 実物でばらつき,設計評価でNG,あるいは市場不良となる可能性がある.
一方,ばらつきを考慮して多くのモデルを計算することは解析コストから非現実的である.そこで,応答曲面法およびモンテカルロシミュレーションを用いて,ばらつきを考慮した安全率を定義し,合理的な設計マージンをもった判定基準を設定した.
これにより,代表値によるシミュレーションで判定できるようになり,設計段階で信頼性を作り込む一助となった内容について発表された.
発表資料(248KB)
コメント
「形状ばらつきと物性ばらつきに層別してアプローチしシミュレーションを行ない,スクリーニングを行っていて参考になった」,「シミュレーションを使った応答曲面の事例で,設計パラメータを決定していく手段として有効である印象を持った」など最新の話題も含めてご発表をして下さいました.

【事例紹介】
JUSE-StatWorksの全社展開によるSQC実践活用の推進


澤田 昌志氏
(アイシン精機株式会社)

概要
アイシン精機殿は,’94年度より「SQC活用推進における人材育成」をねらいに,「QC教育」と「SQC活用推進」の仕組みを強化し,教育が知識習得のためだけに終わらず,実践活用し成果をあげるようにすることを基本的な考え方としている.その中で’03年度にStatWorksのネットワーク版を導入し,全社共通ソフトとして展開を開始した.
具体的には「QC教育」,特にSQC専門教育から,StatWorksの活用のうれしさを模擬体験できる内容にしたり,「SQC活用推進」においてもStatWorksを基軸にやってみせるといった展開を進めてきた.
その結果,全社的にStatWorksの活用が増加するとともに,職場の重要課題の解決において積極的にSQCが活用されることが多くなってきた.その中の事例をいくつか紹介する.
発表資料(225KB)
コメント
「QCについて教育するだけでなく実際に活用させ習得させており,認知度を高めており大変感心しました」,「教育受講⇒実践の仕組み.さらに力量に見合った処遇などの仕組みが良い」など全社展開の先影となる教育に色々と参考にしたい部分が多数ある発表でした.

【事例紹介】
最近の企業におけるSQC教育についての一考察
(効果的なSQC教育の実施を目指して)


加瀬 三千雄氏
(元NECファクトリエンジニアリング株式会社)

概要
最近のSQCにおける企業教育の実情について,今までの経験を踏まえて報告する.
発表資料(62KB)
コメント
ISOの審査員及びSQCのエキスパートとして日々活躍されている加瀬様のご経験を,最大限にされた発表でした.

【表彰】
第5回 「JUSE-StatWorks活用エキスパート賞」の授与

概要
日頃よりJUSE-StatWorksを活用していただいている方にJUSE-StatWorks活用エキスパート賞が授与されました.賞状と商品が送られました.おめでとうございます.
受賞者
加瀬三千雄氏(QCコンサルタント) 選考理由

【パッケージの展示・デモ】

概要
最新のパッケージおよびサービスに触れていただけるよう,JUSEパッケージの展示・デモコーナーを開設しました.
コメント
休憩時間や昼休みには多くの人が訪れていただきました.開発スタッフによる説明や意見公開などが行われ,疑問点への解説解決や今後の機能改善の要望検討など有意義な時間をすごしていただけたかと思います.

本内容は(株)日本科学技術研修所が取りまとめたものです.

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