変数選択には,「変数選択基準」と「変数選択手順」の2つを考える必要があります.
変数選択基準として,よく使われるのは分散比です.一方,変数選択手順としてStatWorksでサポートしているものには,「変数増減法」,「変数減増法」,「変数増加法」,「変数減少法」,「逐次選択4方法」があります.どの選択基準,選択手順がよいのかは一概には言えません.実際問題では,次の事を考慮して変数選択を行えばよいでしょう.
変数選択は,説明変数の水準から目的変数の水準を予測する回帰式を求める場合には有効です.しかし,目的変数の変動に寄与する説明変数の探索(変動要因解析),あるいは,目的変数をある水準にするための説明変数の水準の探索(制御)には,用いてはいけません.
それは,予測の場合には,説明変数と目的変数間に因果関係の存在は必ずしも必要ではないのに対し,変動要因解析,あるいは,制御等は,因果関係の存在が前提になるからです.
その例を紹介しましょう.
ある物質は温度の上昇にともない白色に発光するという性質を利用すれば,白色の発光度を説明変数として,温度を目的変数とすれば,温度の予測ができます.しかし,その物質を白く塗っても温度が上昇しないので,温度の制御を白色度から行う事は無理です.
変数選択のねらいは,目的変数の変動をより少ない数の説明変数で予測しようというものであり,因果関係の存在とは基本的に無関係です.したがって,変数選択では,目的変数と因果関係のある変数を選択しなかったり,あるいは,因果関係のない変数を選択したりする事があります.
変数選択は予測には役立つものの,変動要因解析,あるいは,制御には基本的にはむかない手続きといえます.以下,「変数選択を予測問題に応用するには」という視点からコメントをします.
更新日 | 2011年11月15日 |
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FAQ番号 | 70015 |
カテゴリー | 手法・操作編(回帰分析・多変量解析) この手法の解説ページへ |
対象製品 | JUSE-StatWorks/V5 JUSE-StatWorks/V4.0 |
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