最近は,パソコン購入時にMS-Office製品がプレインストールされており,Microsoft Excel (以下:Excel)などの表計算ソフトを,日頃,集計やデータ処理の業務に使用する機会が増えています.
Excelは,各セル内に計算式や関数を入力したり,割合や傾向,相関などの各種グラフを表示したり,編集することが簡単にできるようになっており,オプションの分析ツール(検定推定,分散分析,回帰分析などのマクロプログラムが組み込まれている)やVBAマクロのプログラミングなどを利用することによって,SQCに関する多くのことができることは皆さん良くご存知だと思います.
一方,JUSE-StatWorksは,日本における品質管理の専門家が指導し,日科技研が開発した品質管理,特にSQC手法を支援する専用パッケージです. Excelは日本において表計算ソフトでは圧倒的なシェアを持ち,データ表のグラフ化や集計機能は特に優れています.また解説書も数多く出版されています.
しかし,現場の業務ですぐに使用するためには,単なるグラフ作成や集計にとどまらず,品質管理手法を系統的かつ正確,迅速にデータ処理することが必要です.各種グラフや統計解析を有効に組み合せた解析ストーリに基づいて分析作業(分散分析や回帰分析,計数値データの解析方法など)や報告をおこない,改善のためのアクションをとる必要があります.JUSE-StatWorksは,企業における品質管理におけるデータ解析業務を徹底的に支援しているところに特長があります.
ここで違いを把握してもらうため簡単な対比表を明記します.
◎かなり優れている,○優れている △:不十分 *:考慮点
No. | 区分 | JUSE-StatWorks | Excel |
---|---|---|---|
1 | 各種分布の確率値算出 | ◎:確率値と分位点(連続分布,離散分布)がすぐに計算できる. | ○:組み込みの分布関数をキーボード入力して利用する. |
2 | 集計,統計量,一覧グラフ | ◎: 基本統計量,度数表,クロス表多変量連関図などメニューを選ぶだけで簡単に表示する. | ○: ピポットテーブル,関数利用 分析ツール(基本統計量)を利用するが多少手間がかかる. |
3 | 検定推定 | ◎: 計量値,計数値の検定推定 ノンパラメトリック検定が標準で用意されている. |
○: 分析ツールを利用(t,F,z検定)する. |
4 | QC七つ道具 | ◎: 特性要因図,ヒストグラム,パレート図,散布図,管理図,グラフなどが標準で備わっている. ◎: 層別処理,外れ値,規格値による判定,安定状態の判定,目盛変更などに優れている. |
○: 分析ツール(ヒストグラム,パレート図)グラフウィザード(散布図,帯グラフ他) △: グラフレイアウト変更等きめが細いが,習熟する必要がある. △: 管理限界線や層別,外れ値の検出などが劣る. |
5 | 分散分析 | ◎: 実験計画法(1,2元,多元配置分散分析,直交表)が標準で用意. (データプロット,分散分析,要因のプーリング,予測,残差の評価) ◎: タグチメソッド,分割実験,実験の計画,中心複合計画,L12,L18なども用意されている. |
△: 分析ツールを利用する必要があるが(1,2元配置分散分析),十分な出力ではない. △: 3元配置以上の分散分析や直交表,分割実験は難しい. |
6 | 回帰分析 | ◎: 単回帰分析,重回帰分析,直交多項式回帰分析,ロジスティック回帰分析(変数指定,変数選択,分散分析表,残差の検討,予測) ◎: 変数手動選択,外れ値のマスク,残差の検討,信頼区間が表示される. |
△: 分析ツールを利用する(回帰分析) △: ただし,十分な出力内容は出ないので,後処理が必要になる. |
7 | 日科技連のBCテキストとの整合性 | ◎: テキストのほとんどの手法を網羅 * FMEA,QFDなど言語解析手法. * 姉妹船品に信頼性解析,多変量解析手法のパッケージも用意されており,同じ操作性で使える. |
△ |
8 | データ処理能力 | ○: 基本的なデータ処理では問題なく使える. * 量質混在処理や欠測値の処理が可能. * Excelファイルのインポートや解析結果画面を出力可能. |
○: 広く業務に利用可能である. |
9 | 価格面 | ○: 単品では10万円以上だが,ネットワーク版やライセンスパックなどが用意されており,まとめて買えばほとんど変わらない. | ◎: 数万円で購入できる. |
10 | サポート体制 | ◎: 専門スタッフがそろっており,わからない点はその場でアドバイスしてくれる. | △ |
11 | 解説書 | ○: JUSE-StatWorksの解説書が揃っている. | ○: Excelによる統計解析手法の解説書が揃っている. |
12 | 報告書類作成 | ○: レポート処理やグラフコンポーネント機能を編集可能. | ○: グラフ出力はきれい.ただし,解析結果の編集が必要. |
13 | その他 | ◎: 解析ストーリに基づいた解析手順,必要十分な出力が可能. | ○: 高度な技術があれば,マクロプログラムで自由に作成,利用が可能. |
更新日 | 2011年11月15日 |
---|---|
FAQ番号 | 90007 |
カテゴリー | 手法・操作編(その他) この手法の解説ページへ |
対象製品 | JUSE-StatWorks/V5 JUSE-StatWorks/V4.0 |
JUSE-StatWorks/V5の無料体験版をお試しください | |
製品・サービスに関する資料・カタログをお送りします | |
イベント案内や製品などの最新情報をお届けします |